電話が苦手な従業員への電話対応の教え方を解説!
「若い従業員が入社したけど、電話対応が下手すぎてどこから教えたら良いかわからない」という店舗や会社もあるのではないでしょうか。今回は、若者が電話対応が苦手な理由、電話対応の教え方のポイントなど、従業員の電話対応の品質をどうやって上げるかをテーマに紹介します。
若い従業員は電話対応が苦手な傾向がある
スマホ上のテキストメッセージやビデオ通話によるコミュニケーションが主流となった今、声だけでやりとりする「電話」に苦手意識を抱えている若者は多いようです。
株式会社ソフツーの調査によると、全体の約6割、20代~30代の7割以上が電話に苦手意識を感じていると回答しています。20代が電話を苦手とする理由としては、「自分の知識で正しく解答できるか不安」「上司にうまく取次できるか不安」といった声が目立ちました。「問い合わせ内容が分からないのでプレッシャーを感じる」という声は20〜40代全体に多く見られました。
電話の場合は、聞かれて即リアクションしなければいけないので、チャットやDM、メールのように、考えたり調べたりする時間がありません。自分のペースで返信できるコミュニケーションに慣れている20代にとっては、電話口で自分の知識で回答できるかどうかの不安を覚えやすいのかもしれません。
また、上司にうまく取次できるか不安に関して、20代のスマホネイティブ世代は「誰が・いつ・何を」という取次に必須の内容を言語で伝えることにそもそも慣れていません。理由としては誰かに伝聞で物を伝えるときは「スクリーンショット」を送って済ませることが一つ挙げられます。電話を取り次いだら要件を聞けていないと怒られた、もう電話を取りたくないと思ってしまうのはある意味自然です。
電話に出るまで問い合わせ内容がわからないのも、テキストベースのやり取りとは違う点です。取ったらクレームの電話だった、業務に関係ない営業電話だったというのが続くと、電話を取るのが嫌になってしまいます。
これらのような原因が重なり従業員の電話への苦手意識が高まると、コールが鳴っても誰も取らないという事態が発生し、顧客満足度は下がりますし、取引先であれば企業の信用を傷つけます。
必ず教えておきたい電話対応の流れ
若い従業員が入社した際には、会社や店舗に電話がかかってきた場合の基本的な対応方法をしっかり教えておく必要があります。電話対応くらいできるだろうと考えていても意外にできませんし、放っておくとストレスを覚え退職の原因になったりします。下記が基本的な流れです。
①店舗、会社名を名乗る
例:「お電話ありがとうございます。ヘアサロン◯◯、齋藤でございます。」
電話が来たら3コール以内を目安に取り、上記のように名乗ります。
②相手の名前、要件を復唱する
例:「明日19時のご予約ということでよろしいでしょうか?」
電話対応の基本は復唱です。今回はたまたま店舗の予約を例にとりました。客は「明日の19:00〜予約したくて電話したんですけど」とかけてきた想定です。
繰り返すことでお互いの認識合わせにもなりますし、繰り返している間に調べる準備をしたり頭を整理する時間が取れるのが大きいです。電話対応は繰り返しが大事だということは覚えておきましょう。
また、BtoCの場合は最初に個人客が名前を名乗らないことが多いですが、BtoCの場合は大抵会社名と氏名を名乗って頂けます。その場合は「△△の山田様ですね。営業の中村にお繋ぎするということでよろしいでしょうか」というイメージになります。
③待たせる場合は必ず伝える
例:「お調べいたしますので少々お待ちください。」
調べる前に何も言わずいきなり保留音を流すのは雑な対応に感じるので、必ず待たせる旨を伝えましょう。
④要件への対応可否を伝える
例:「お待たせいたしました。明日の19:00にお席のご用意可能です。」
調べた後は必ずお待たせしましたと言い、また要件に対応可能かシンプルに可否をまず伝えましょう。今回は予約可能だったので、その旨を伝え、顧客の個人情報を確認する作業に移ります。
⑤顧客の個人情報の確認方法
例:
「御社名とお名前を伺えますでしょうか。」
「お電話番号よろしいでしょうか。」
「ご住所を伺えますでしょうか。」
「◯桁の会員番号をお願いします。」
よくある確認事項としては上記のようなものになります。重要なのは必ず復唱すること。
「復唱いたします。ご連絡先のお電話番号は080-××××-××××で正しいでしょうか」といったイメージです。
⑥クロージング
例:「それでは山田様、明日19:00にお席をご用意いたしましたのでお待ちしております。お電話ありがとうございました。斎藤が承りました。」
電話を終える際には、必ず承った内容を繰り返し、認識に間違いがないか確認します。最後は感謝を述べ自分の名前を伝えて電話を切りましょう。
※折り返し電話や伝言が必要な場合
電話に出た従業員では要件を果たせない場合もあります。担当者が不在な場合や自分では判断できない質問、要望を受けた場合です。その場合は、自分が調べて折り返すか、担当者から折り返すということになります。
例:
「お調べして折り返しお電話いたしますので、山田様のお電話番号を伺ってよろしいでしょうか。」
「営業部の中村が外出中でして、戻り次第本人から折り返しお電話いたします。山田様のお電話番号を伺ってよろしいでしょうか。」
基本的には上記のような対応です。上記の質問に対して、電話があったことだけ伝えておいてと回答されるケースも多いので、その場合は
・どこの誰から電話があったか
・何時に電話があったか
・どんな対応をすれば良いか
を担当者に伝えましょう。
「△△システムの山田様から15:30にお電話あり。080-××××-××××に折り返し希望です。」
といったイメージになります。
電話を切る際は、
例えば「それでは後ほど折り返しいたしますので、お待ちくださいませ。斎藤が承りました」のように伝えましょう。
電話対応の教え方
上記紹介したのはあくまでよくあるイメージで、厳密には企業や店舗ごとに確認しなければいけない事項は変わります。実際教える際は、自社の顧客や取引先からの電話を想定して教えなければいけません。どのように教えれば良いのでしょうか。
トークスクリプトを用意する
まずは基本的な電話対応のセリフが書いてあるトークスクリプトを用意します。新人の若者や外国人など電話対応に不慣れなスタッフでもそれを見ながら対応できるものを目指しましょう。
上司や先輩によるロールプレイング
トークスクリプトを見ながら、上司や先輩が顧客役をやり、電話対応のロールプレイングを行います。考えられる電話内容は一通りやり、確認事項がしっかり聞けているか、言葉遣いがおかしくないかなど、丁寧に指導しましょう。
OJTで見守りながら電話対応に慣れる
実際に電話を取るようになっても、最初のうちは上司や先輩が近くで問題が発生しないか聞いているようにしましょう。何かあったらすぐ代わることができるようにしておくと、安心して電話対応ができます。放置して失敗すると電話に対して苦手意識を持ってしまうので注意が必要です。また、わからないことや困ったことがあった際に誰に助けを求めたら良いかどうかも、事前に決めておきましょう。店舗であればその日のリーダーや社員などが該当するはずです。最初の1週間程度はOJT(On the Job Training)として、電話対応にしっかり慣れてもらうことが必要です。
電話対応がうまくいかないとこんなリスクが
電話対応がうまくいかないと、クレームやイメージダウンなどのリスクが生じます。具体的に起こり得ることを紹介します。
対応品質がクレームのきっかけになる
言葉遣いや話の通じない雰囲気などは、相手をイライラさせクレームのきっかけになります。話の内容に関係ない対応品質によるクレームは、いたずらに労力と時間、対応するスタッフのモチベーションを下げますので、従業員にしっかり電話対応教育を行い、クレームを生まないようにしましょう。
内容の聞き間違えでトラブルになる
予約日の間違いによるダブルブッキング、注文数量を桁を間違えてしまったなど、内容の聞き間違えが起こるのは、復唱確認しなかったのが原因であることが多いです。顧客から聞いた要点は必ず復唱しましょう。
また、電話口で相手の声がよく聞こえなかったにもかかわらず、何度も聞き返すのが気まずいので、推測で顧客の話した内容を判断してしまうケースもあります。これもトラブルの元なので、しっかり聞き取れる、理解できるまで、確認をすることを徹底しましょう。
担当者に伝わっていなくてトラブルになる
担当者が不在等で、電話口に出た従業員に本人から折り返すように伝えたのに、待てど暮らせど折り返しがない、というのもクレームになります。そのようなケースが頻発するようなら、社内の伝達方法を見直すことが必要です。
電話対応のまずさで企業や店舗のイメージがダウンする
上記全てのような電話対応のまずさで、企業や店舗のイメージがダウンしてしまいます。今はSNSや口コミサイトにすぐに低評価のコメントが書き込まれてしまい、悪い評判が拡散するのは早いです。せっかくサービス自体の内容が良くても、電話対応で評価が下がるのは勿体ありません。
顧客情報を正確に把握するならCTIという手も
電話対応はサービス提供やビジネス展開の入り口となる重要な業務です。誰が電話を取っても同様の対応品質になるように、マニュアルやルールは決めておいたほうが良いですし、ヒアリングの正確性も重要です。従業員をしっかりトレーニングしましょう。
ただ、人力で100%ミスなく電話対応するのは限界があります。そんな時に便利なのがCTI(Computer Telephony Integration)です。コンピューターと電話機を接続し、顧客情報の管理における正確性を高め、効率化します。
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